2011.02.15

「凄まじい」とはこの事か。
「芸術は爆発だ」という岡本太郎の名言があるが、渋さ知らズの音楽にはその言葉と同じぐらいのパワーがある。
その音を前にして疑念は粉々に砕かれ、羽根を付けた想像力が自由気ままに飛び回り素晴らしい世界を見せてくれる。
フロアはその美しい想像で溢れかえり、それが集団エクスタシーを引き起こす。
生きている事、今そこにいる事に喜びを感じる。
心が踊り、身体が踊り、声を上げる。
凶暴であり、繊細であり、楽しげであり、美しいものを前に、人々はそういった反応を示す。
2011年、2月6日、BLUE NOTE ONEの夜、目の前で見た事実。

レヨナはギター一本もってステージへ。
隣にはGOMA & JUNGLE RHYTHM SECTIONでも活躍するパーカッショニスト、辻コースケ。
満員のフロア、高まる期待を優しく撫でるようにレヨナは歌い始める。
しなやかで、ブルージー、時に妖艶さすら感じる、ポップでありながら唯一無二な存在感。透き通った窓ガラスのような歌声は様々な景色を映し出す。
初めて一緒にライブをするという辻コースケとの相性もバッチリ。パーカッションも歌うようにメロディアスに鳴らされて、心地よいリズムが一層レヨナの歌を引き立てる。
オーディエンスもうっとり。男も女も惚れ惚れしてしまう。
この日のレヨナは何だかとても生き生きとしていて、アコースティックセットと言う事もあってか、彼女の魅力がダイレクトにオーディエンスに伝わったんじゃないだろうか?
レヨナのライブの後もお客さんは減る事も無く、むしろ渋さ知らズの登場に向け増す熱気。
DJ達がその間をスウィンギーな選曲で見事に盛り上げ、レヨナから渋さへキレイな橋を架ける。
渋さ知らズというと、やはりオーケストラとして、ある程度の大箱かフェスのステージで見る機会が多いが、今回は8人の(渋さにしては)小編成、その分このぐらいの小箱だとフロアとの距離感もかなり近く、その迫力たるや、マジハンパねーってな具合である。

なんといってもこの場合、普段はダンドリストとして中央で指揮をとる不破さんがベーシストとして演奏するというスペシャリティーがある。
一曲目、演奏をリードするかのように不破のベースが走り出す。地を這う黒豹よろしく、スリリングなストリングスにパーカッション、ドラムが絡み、ホーンが吠える。
有無を言う暇もなく、その渦に飲み込まれて行くフロア。
それから文頭の状況に至るまでにそう時間はかからなかった。少なくとも体感ではあっという間。
その凄みをまざまざと見せつける渋さ知らズ。
混沌としたカオスのジャングルをくぐり抜け見つけ出す至高のメロディー。
その美しさに魅せられた我々は中毒者といってもおくしくない。
濃厚な音の洪水を散々に浴びて、それでも「まだ見たい」、「まだ聴きたい」が沸いて来る。 完全なミュージックハイ。
気がつけばもうアンコール。
聴く側にこんなにもの達成感を与えるこの集団は一体何なんだろう?
ライブが終わった後、しばらく体から痺れが抜けなかった。
それもまた気持ちよく、頭の中ではあのメロディーが。。。
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