2011.03.08
ブルーノートのフロアに聴いた事のない音が響き渡っていた。
3月6日、夕方四時ごろ、OKI DUB AINU BANDリハーサルのサウンドチェックで、今回の2バンドともライブミックスを担当する内田直之がエフェクトのかかり具合を試していた。
ミキサーの周りにはディレイやテープエコーなどの”DUB機材”が並んでいて、いくつものツマミやボタンを操作しながら、元の音の原型が解らなくなる程”ねじって”いる。
空間がゆがみ、異次元から魔物が這い出てくるんじゃないか?と思う程。
一体、どんなライブになってしまうのだろうか?
なんつって、思いながら準備を進め、10分押しの19:10にオープンしたONE 、「HIMARAYAN DUB」&「民衆レベル」Wリリースパーティー。
DJ CITYBOYがアトモスフェリックな四つ打ちでスピーカーとフロアを暖める。

先攻、光風&GREEN MASSIVE、ゲストにカラムシ、ドラムに元犬式カッキーを迎え山賊参上。一言、名乗りを上げ一曲目「緑の世代」スタート。
これまでの数々のライブ、そしてファーストアルバムのレコーディングを経て、一段と完成度を増したルーズグルーヴが鳴り出す。ゆっくりじっくりカラダ揺らし出すオーディエンス。この日のステージを待ち望んでいたヘッズも多い。
まだ残る寒さなんてすぐに忘れる。
アルバムにも未収録の新曲も織り交ぜながら、「夜が明ける」、「Chant Down Babylon」などお馴染みの曲を披露。中盤ではクラッシック「summer time」のインストカバーでNGKBのギターが吠えまくる。後半にさしかかり、グルーヴも満ち足りて来た頃、「the mosquito」でダンシングムード。お決まりのコール&レスポンスも盛り上がり、カラムシがMCで更に煽り立てる。そこから一気にたたみかけるように「旗の袂」へ。スペシャルゲストDJのPAPA U-Geeも飛び込み参戦、盛り上がりもピークをマークした。

すかさずDJブースへ戻ったPAPA U-Geeがその勢いのままファンキーなオールドスクールトラックで盛り上がりを繋いでいく。ルーツィーなダブとステッパーズのルーティンにラガスタイルでMCを入れながら最後はファンキーブレイクスでOKI DUB AINU BANDへとバトンと運んでいく。
赤い照明に照らされたステージに4人の猛者。
沼澤尚のドラムが淡々と、歩み寄るマンモスの足音の如く打ち鳴らされる。
フロアとステージの間の波長をチューニングするかのうにインプロでオープニングセッションが始まり、あの独特なトンコリの音色が響き出す。
どこかのインタビューでOKIが
「レゲェの真髄って自分のルーツを見つめる事だから、、、」
と言っていた。
その言葉をそのままバンド名にしたかのうなDUB AINU BAND、OKIがそこに立つ意味がそのサウンドからも伺える。

ライブスタート早々にスネアドラムの皮が破けるというアクシデントがあったが、MCで場を繋ぎ、予定変更でOKIのソロが披露された。
「北海道、日高山脈の麓、、、カイカイアシト、さざ波立つ湖、、、カムイ集まり、、、そのカムイのチカラ、自分自信に近づかす、、、」
情緒的なトンコリのメロディーにのせて語られるアイヌの神話、オキのルーツ、、、アイヌ語で歌われるストーリー、、、
その間にドラム復活、途中からドラム、ベースが演奏に加わるドラマティックな展開に、真っ白な北の大地にそびえる神々の山々のイメージが瞼の裏に広がる。
「北海道原住民の言葉で、”お互いの気持ちを解り合う”というのを”ウトワスカラ”と言います。」
とメロディーにのせてオキが話す。
ラスタの言葉で言うところの”I&I”だ。
音楽を通して文化や思想に触れる事が出来る。オキの音楽の魅力の一つ。
ライブは随所に仕掛けられたウッチーのダブワイズが盛り上がりを煽りながら終盤へと向かう。
トンコリからギターに持ち替え、リフが印象的なダンスナンバー「TAWKI」から次曲ではPAPA U-Geeと光風をステージに招きスペシャルセッション!
大盛況のうちに幕が降り、、、、
ちょっと待てよ、まだ足りない、、、
歓声はすぐさまアンコールに変り、あの曲が鳴り出す。
「サハリンロック!!」
待ってました!と言わんばかりのレスポンスがオーディエンスから沸き起こり、再びダンスフロアと化すステージ前。
最後はファーストアルバムから「East Of Kunashiri」がエンドロールのように。
おどろおどろしさすら漂わす、威厳すら感じさせる、MCでも語られた「これから始まる楽しい地獄のツアー」の始まりを告げるオープニングテーマのようにも聴こえる、なんともスリリングな絞め、これがOKI DUBマナー。

圧倒的な存在感を皆の胸内に残し、次なる地へ。光風&GREEN MASSIVE、OKI DUB AINU BAND共にリリースツアーは始まったばかり。
もしこれからのツアー先へ行く予定の人がこれを読んでいるとしたら伝えたい「お楽しみに!」
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