INTERVIEW

2008.07.15

BUNSHAKA / 加藤文太郎

3月のある日、我々インタビュー隊は新たなページを開くため、湘南に向かった。

今回のターゲットは、BUNSHAKAこと加藤文太郎。

あのThe modsや、Keison、Leyona、caravan, Theaterbrook, Dubsensemania、papa-U gee等のCDジャケット写真やPV、更にはTommy GuerreroやMykal Rose,Lee Perry, Dennis Brown, Ziggy Marley,の他、プロサーファーのJoel TudorやサーフフィルムメイカーThomas Campbellなどなど、数々のアーティスト写真を撮っている写真家/フィルムメイカーである。

アーティスト以外でも、旅先で出会った人々や風景、そのフィルムに収められた一枚一枚は、どれも独特のインパクトを持ったモノばかり。

そんな彼の作品に惹かれっぱなしの我々は、湘南は浜須賀サーフ&ミュージック1614で待ち合わせて、さっそくボイスレコーダーのスイッチを押した。。。

おつかれデース!
イヤー、この前はすいませんでした。今日はバッチリがんばりますので、よろしくお願いします!

BUN:こちらこそよろしくお願いします。(笑)

(実は、このインタビューの数日前にもインタビューのチャンスをもらったのにいつもの悪いクセで飲みすぎてしまい支離滅裂、、、今日はリベンジの機会をもらい気合バッチリという訳だ。)

ブンさんといえばやっぱりあの何とも言えない独特のニオイが写真や映像から感じられるんですけど、こだわりのカメラってあるんですか?

BUN:どうかな。普通はカメラマンはこだわりがあると思うけど、僕はそんなにこだわらない方だと思う、、、

もともとカメラが好きでやり始めたわけでもないし。

えっ、写真を撮り始めたキッカケは何だったんですか??

BUN:旅だね。旅に行きたくなって、仕事やめてポーンと行った。それで周りから「どうすんの?」って心配されて、どうしようかな?って、、、

仕事って確か美容院を経営してたんですよね?

BUN:そう、29才ぐらいまで美容院を経営していて、普通に働きづめだったんだけど、社員旅行でバリ島に行った時のカルチャーショックがきっかけで旅が面白くなった。長旅したいけど当時は社員十数名かかえて回転してる仕事だから、時間を作るのには限界があるでしょ?それで一回ゼロに戻そうと思った。

突き動かされたのは、旅を通して自分の無知さ加減を思い知らされた。いい、悪いじゃなく、すごく狭い範囲の世界(価値観)で生きてきた自分に気づかされる。そんなことが今まで築いてきた物を簡単に捨てさせた動機だった。その時に読んでた本が、”ハーレムの熱い日々”って60年代のドキュメント写真本だった。

ドキュメントですか?

BUN:そう、こういうスタイルの写真業ってのもあるんだ?と単純に考えて、カメラ買って、旅に出たんです。

えっ!いきなりですか?

BUN:そう、かなりいきなり。(笑)旅から帰ってきて、拠点を東京に移して、撮ってきた写真を人に見てもらった。すると、たまたま仕事が入ってきた。

そんな、たまたまで仕事来ますか?やっぱセンスがあったからじゃ?

BUN:たまたまですよ。きっと。(笑)当時はjamaicaへ行く日本人なんてほとんどいないし、まして写真も目にした事がなかった。そこでDread Lionってレゲェのレーベルのイメージ広告の写真の仕事が舞い込んできた。

どんな写真が使われたのですか?

BUN:ホームページにも載ってるドレッドの男の子の写真です。

あ~、ヤバイ目の!?

BUN:そう、あの写真。

あれはどういうシチュエイションだったんですか?

BUN:アレは、あるラスタの山の中の家に何日か生活してた時の一コマなんだ。 突然やってきた東洋人の俺と奴の関係性が(緊張感)ある飽和点に達した時、あんな表情を見せてくれる瞬間があるんだね。

あれ何ていうんですかね、、、ヤバイですね。旅で写真を撮ってると、危険な目にあったりとかありますか??

BUN:まぁ、危険というか、、、 80年代後半から何度かジャマイカに行ってるけど何度かナイフは見させられてるね。 危険な目に遭わないように最善のケアはする。 たとえばカメラぶら下げてあるいたりしない。(笑)

あ、やっぱりそうなんですね?取られちゃうんですか?

BUN:取られちゃうというか、、、、 現実、場所によってはその日の食べ物に困るような状況があるじゃないですか。 そこに高級カメラ持って、日本人がブラブラ出来る分けがない。だから、スーパーや屋台でもらうような紙袋にカメラを入れて持ち歩いたり。できるだけ刺激しないようにしてますよ。 いつも相手の状況や感覚、感情を理解するようにしてます。自分だったらどうか?って。。

素人が一人では無理ですよね?例えば、カメラ向けて、何撮ってんだ!?ってのはありますか?

BUN:やっぱありますね。パレード(ダウンタウン)なんかで、ぱっと撮って行こうとしたら、「待て待て!」「いま私の事、勝手に撮ったでしょ?」
「ハイ、お金だしな!」みたいな。(笑)
でも日本人ほど写真が浸透してない外国では当然の抗議なんですよね。
特に僕の場合、広角レンズを基本にする事が多く、被写体との距離が近すぎるので
流し撮りしていてもばれる事が多いんです。
でも基本的にjamaica人はとても陽気なので、関西人の僕にはそういうノリは、肌に合うようです。(笑)

あのヤバイ目の男の子といい、ブンさんの写真はいろんな意味で被写体との距離感が近いと感じるんですが?

BUN:さっきいったようにジャマイカで多用したレンズが広角だったからというのがあるでしょうね。人でも何でも被写体をアップで撮りたかったら自分がこれぐらいまで近づかないと撮れない。 (カメラを構えるフリで、こちらにグッと近づく。その距離60cmほど。) でも初対面でそんなに近づいたらびっくりします。 このレンズでリラックスした人のアップの写真をとるにはある程度、時間が必要になるんだよね。普通は中望遠といわれるレンズで初対面でも緊張感が起こらない一定の距離で撮影するというのがポートレートの撮影方法だといわれてる。けど結果的にそれとは相対的なやりかたで撮る写真はまた違った魅力を見せてくれる。

なるほど!深いなー!だからみんな表情も自然体だし、それは人としても距離感が近いってのがあるんですね。

広角にはこだわりがあるんですか?

BUN:いや、そこまでこだわっているわけじゃないですけど、ただ単純に好きってのはありますね。 他にも高性能なモノもあるし、デジタルもたまに使うけど、そんなにカメラの機能自体にはこだわらない。それよりもそこにいて写真機を構え、撮った記録としての面白みに興味が湧くし、流れというか、偶然性のほうが大事かな?

偶然性というと?

BUN:いろんな偶然ってあるんだけど、 例えば、エチオピアのアジスアベバって街にいて、ヨロズ屋みたいなちっちゃい店で、何人かで顔突っ込んで買い物してたとき、肩からカメラが落ちてしまって。 それでレンズが歪んでしまった。でもそれが面白い効果になって、中心には焦点があって端に行くほど歪みが出たり、エフェクト感が面白かった。その旅は気に入って常用レンズとして使いました。 そういえば、これも広角だった。気に入って今でもたまに仕事で使ってます。

へぇ~なるほど。それは面白い偶然ですね~。
そういうところからもオリジナリティーが出てるんですかね?
ところで、そんなブンさんですが、やはり肩書きは写真家ですか?

BUN:いや~どうなんでしょう。まぁ「フーテンのカメラマンです」なんて言ってる時もありますけど、写真にこだわっているわけじゃないですね。生涯カメラマンってつもりもないし、もしかしたらウェブデザインを教えてってシーラ君のところに行くかもしれないし、経営学を教えてって小野さんのところに行くかもしれない。(笑)

またまた、、、(笑)

BUN:いやホントにわからないですよ。(笑)

最後に、ブンさんにとってレゲェとは??

BUN:ん~、やっぱ大きい存在ですね。サーフィンと一緒で自分のライフスタイルにかなり影響されてる。

色んな音楽を聞くけど、やっぱここで落ち着くみたいな。特別な場所。音楽自体好きで、いろんな音楽聴くけど、レゲェとジャズは特に好き。ずーっと好きやと思うね。

ーカメラにしても、自分の肩書きにしても、とことんこだわらない。そんなところが作品の、あの柔らかい感じだったり、ナチュラルな雰囲気を出しているのかもしれない。

ミュージシャンやサーファー、旅で出会った人達、その人自身の魅力を自然に写す。そこには自分のこだわりなんて無いほうがいいのかも。

もしかしたら、そんなところがあの独特のインパクトを自然と生んでいるのかも。。。

そんなこんなで、インタビューを無事終えた後は、この場所の提供者でもあるSTONED ROCKERS ヒロヒサ君も交じえ、サーフィンの話やら“頂”の妄想話やらで盛り上がり、そのテンションのまま静岡への帰路についたのだった。

(このインタビューは“頂”前に行なわれたモノです。)

浜石まつり、頂 日本平大音楽祭CMでは映像も手がけています。

浜石まつりスペシャルムービー制作(link up production)

頂WEBサイト トップページへ→(ページ中央右より)

頂 日本平大音楽祭CM制作

映像はこちらから→

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